【速報】2022年早実定員変更も「早慶以上」男女で3倍の差 男女で異なる中学受験事情

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早慶附属中で女子の定員は男子の定員の7分の1
また、男女御三家をはじめ、多くの伝統的難関校には男子校・女子校が多く存在し、共学でも男子と女子では定員や合格最低点に差がある学校が存在しています。
2022年の入試から早実の定員が変更されることが2021年3月10日に発表されました。定員が減る形ですが、男子の定員が多い状況は変わりありません。
共学の人気が高まる一方で、早稲田や慶應の附属中をはじめ難関校の中学受験事情は、男子と女子ではまったく違うのが現実です。

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早慶付属中の偏差値は男女で全く違う

女子は、早慶に入るのは男子より難しいと聞きます。

慶應も早稲田も、定員はトータルで男子の方が圧倒的に多いので、女子の早慶は難関です。

四谷大塚の合不合偏差値表から、早慶附属中を抜粋したのがこちらの表です。

男子/女子偏差値(四谷)学校試験日男女校/共学
定員(※は男女計)
男子67早稲田22/3男子校100
男子65慶應湘南藤沢2/2共学※70
男子64慶應普通部2/1男子校180
男子64早稲田2/1男子校200
男子64慶應中等部2/3共学140
男子63早稲田実業2/1共学70
(2021年は85)
男子63早大学院2/1男子校120
女子70慶應中等部2/3共学50
女子68早稲田実業2/1共学40
女子68慶應湘南藤沢2/2共学※70

男子でもっとも高いのは早稲田中学(2回)偏差値67
それに対して、女子は慶應中等部の70を筆頭に、軒並み男子より高い偏差値となっています。

そもそも偏差値は、男子・女子それぞれの母集団の中での相対的な数値になりますので、異なる集団の偏差値をそのまま比較することは厳密には正確ではありません。
ここでは、あくまで難易度の「イメージ」を見ていくために、男子・女子別々の偏差値表の数値を同列に並べて見ていきます。

模試で同じ成績をとっても、男子と女子で合格圏内に入る学校は違うってことね。

受験生それぞれ、志望校決定の理由が異なりますので、特定の学校の偏差値以上を難関校とするのは適切ではないかも知れませんが、次の項では、受験界では非常にわかりやすい指標である「早慶以上」の学校を比較してみます。

【速報】早実は2022年入試から定員減少、学費増額

そして、2022年以降の入試で、早実のクラス数や生徒数の変更が発表されました。

ポイントは、次のように記されています。

  • 教育のあり方の抜本的な見直しの一環として、クラスサイズ及びクラス数を調整する。
  • 中等部は1クラス36名程度、6クラス編成とする。クラスサイズ、クラス数ともに2022年度入学者から変更する。
  • 高等部は1クラス40名程度、8クラス編成とする。クラスサイズは2022年度~2025年度入学者の間で漸減する。クラス数は2022年度入学者から変更する。

主に高等部の定員を減少させるのが目的の変更です。
現在1クラス45人なのを、2025年までに1クラス40人となるよう、段階的に減少させる予定です。
それにともなって、中等部の募集定員は、2022年以降、男子のみ減少します。

2022年度の募集人数:約110名(男子約70名、女子約40名) 帰国生徒 若干名
<ご参考>2021年度の募集人数:125名(男子85名、女子40名) 帰国生徒 3名以内

変更点は、男子の定員が減ることです。帰国子女は、これまで「3名以内」となっていたのが「若干名」に変更となり、3名より増える可能性があり、その場合は、一般の合格者が削られる形になりますが、実際の運用は不明です。

定員は男子だけ減る形ですが、女子よりも多い状況は今後も続くことになります。

なお、学費については、現行の初年度学費1,128,000円から段階的に増額し、2025年以降の入学者については、1,320,000円となる予定です。

「早慶以上」の難関校の女子定員は男子より圧倒的に少ない

進学校を含めて早慶以上の学校を目指すとき、男女に違いはあるのかしら?

では、男子は早稲田実業や早大学院の偏差値63以上、女子では偏差値68以上の学校を比較してみます。

※便宜上2月1日から3日までの入試校を大学進学校を含んで取り上げます。公立中学を含みます。

偏差値学校 (早慶附属)試験日男女校/共学定員※は定員男女計
男子73筑波大駒場2/3男子校120
男子71開成2/1男子校300
男子70聖光学院2/2男子校175
男子69渋谷教育幕張22/2共学45
男子68麻布2/1男子校300
男子67栄光学園2/2男子校180
男子67渋谷教育渋谷22/2共学70
男子67早稲田22/3男子校100
男子66海城22/3男子校145
男子66筑波大附2/3共学80
男子66小石川(一般)2/3共学159
男子65駒場東邦2/1男子校240
男子65渋谷教育渋谷2/1共学70
男子65慶應湘南藤沢2/2共学70
男子64海城2/1男子校145
男子64慶應普通部2/1男子校180
男子64武蔵2/1男子校160
男子64早稲田2/1男子校200
男子64広尾学園(医進・S)2/2共学35
男子64浅野2/3男子校270
男子64慶應中等部2/3共学140
男子63早稲田実業2/1共学70
(2021年は85)
男子63早大学院2/1男子校120
男子63広尾学園(ISG1)2/1共学70
男子63巣鴨(算数)2/1男子校20
女子71渋谷教育幕張22/2共学45
女子70桜蔭2/1女子校235
女子70女子学院2/1女子校240
女子70渋谷教育渋谷22/2共学70
女子70慶應中等部2/3共学50
女子70豊島岡女子学園22/3女子校40
女子70豊島岡女子学園2/2女子校160
女子69渋谷教育渋谷2/1共学70
女子69筑波大附2/3共学70
女子67お茶ノ水女子大附2/3共学30
女子68雙葉2/1女子校100
女子68早稲田実業2/1共学40
女子68慶應湘南藤沢2/2共学70

学校の数で見ると、男子はのべ25校、女子はのべ13校
附属校以外を含めた「早慶以上」の偏差値の学校の数は、男子は女子の約2倍になります。

次に、男子偏差値63以上、女子偏差値63以上の学校の定員の合計を男女で比較してみます。

※定員が男女合計で発表されている学校は、男子女子にそれぞれ人数を半分ずつ割り振っています。
※2021年の募集定員をもとに作成

定員を比べてみると、男子は女子の3倍以上
比較する偏差値に5以上の差がありますので、女子が少ないのは当然のようにも見えます。

あまりに女子の条件が厳しいので、男子と同じ偏差値63まで下げて見てみます。

次の表は、女子の偏差値63〜67の学校です。

男子/女子偏差値学校試験日男女校/共学
定員(※は男女計)
女子66小石川(一般)2/3共学159
女子65フェリス女学院2/1女子校180
女子65洗足学園2/1女子校80
女子65広尾学園22/1共学50
女子65青山学院2/2共学140
女子65洗足学園22/2女子校100
女子65広尾学園(医進・S)2/2共学35
女子65鴎友学園女子22/3女子校40
女子65武蔵高附属2/3共学60
女子65横浜市立YSFH附属2/3共学80
女子64吉祥女子22/2女子校100
女子64白百合学園2/2女子校60
女子64明大明治2/2共学45
女子63両国高附属2/3共学60
女子63明大明治22/3共学30

女子の対象は16校増え、偏差値63以上は、学校数で見ると、男子を上回りました

女子では明大明治がランクインしますね。

偏差値63なら、男子は早大学院や早実が合格圏内になりますが、女子では明大明治が県内。青学もやや難しいといったところです。

では、定員の合計を比較してみましょう。

偏差値63以上の学校は、定員をベースに比較したら、女子は男子の3分の2にすぎないってことね。

難関校に関しては、やはり女子は厳しい受験環境だというのがわかります。
多くの進学塾では、6年生に入ってからの学校別の特訓クラスを除いて男女が同じクラスで学びますが、同じクラスにいても、男女で行ける学校群は異なってくるということです。

ちなみに、渋谷教育幕張と渋谷教育渋谷はともに、定員としては男女合計で記していますが、渋渋は、男女の合格者がほぼ等しくなるよう、男女で合格点に異なる基準を設けています。2021年の入試では、男子の合格最低点は177点だったのに対し、女子は188点と、10点以上女子のほうが高得点を取る必要がある結果になりました。

共学といっても、男女の定員や合格最低点が異なる場合があり、まったく同じに扱われるというわけではないんです。

早慶の男女別定員の差は、歴然の差

次に、早慶について見ていきます。ここまで学校数はすでに見てきましたので、定員の差をグラフで比較します。

女子の定員は、男子の7分の1
歴然とした差がありますね。

慶應でみてみると、慶應普通部は男子校、中等部も定員は男子が140なのに対して女子は50
早稲田でも、早稲田中学や早大学院は男子校、早実は2002年から共学化し、早稲田の附属では唯一受験できる学校ですが、定員は男子が85なのに対して女子は40と大きな開きがあるのです。

 

すでに述べたように、早慶ともに、共学が少なく、男子校はあっても女子校はありません。さらに共学も女子の人数が少ない分、女子にとって「早慶」はかなりの難関なのです。

早慶附属中の中では、早実が合格最低点を発表していますが、男子の194に対して、女子は214点と、実に20点の差が開いています。

男女の偏差値を比較しても、慶應中等部は7の開きがありますし、早実も5の開きがあります。

進む共学の動き 一方で定員は同じではない

近頃、私立中学では共学が人気になる傾向が高まっていますね。

大学附属校では、2002年に共学化した早稲田実業を始め、明大明治が共学化。
進学校では、2021年には「広尾学園小石川中学・高校」は計5回の入試の定員合計90人に対して、3210人が出願し話題となりました。

このほか、近年では芝浦工業大付属が共学化し、豊洲という立地も相まって、人気が高まっています。2021年の受験者数は前年の1.5倍の1609人でした。
さらには、星美学園中学校が2022年から、目黒星美学園中学が2023年度から共学化することなど、共学化の動きは活発化しています。

ただ、先の早実で定員に差があるように、共学化によって男女の生徒数が同数になるというわけではありません

明大明治は、2008年の共学化以降、男子より女子の定員の方が少ない状況が続いていましたが、2020年の入試から男女の定員が同数となりました。とはいえ、難関校全体の学校数・定員ともに少ない分、女子の倍率も男子より高い傾向が出ています。また、学校施設の問題や、各学校の教育方針によって、共学化後も男女別定員を導入している学校は残っています。

2022年の中学入試でも、特に上位校においては、男子と比べて女子の厳しい受験環境は続きそうです。

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コメント

  1. A より:

    記事内の早慶付属中の偏差値表で、慶應普通部が共学校と書いてあります。正しくは男子校の誤植だと思います。

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