トレンドをおさえた早稲田・早実の社会 コロナで重要度増した分野、開成や慶應との重複も多数

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中学受験
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2021年はコロナ禍で社会情勢が大きく変わった中での初めての中学入試で、外国との往来が制限されるなど、中学受験の社会で習う出来事にも大きく影響する形となりました。
2022年の入試では、コロナの影響が統計などの「数字」にもはっきり変わることになり、大きな社会情勢の変化に対応した受験勉強が必要になります。
ただ、そうした中でも、「学習すべきこと」は大きく変わりません。
早稲田中学・早実の社会は、他の学校でも出題される受験のスタンダードとも言うべきジャンルがあまねく出題されます。2021年の入試問題を通じて「よく出る」ポイントを整理します。

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王道の分野をしっかり勉強する

早稲田中学の社会・早稲田実業の社会は、ともに御三家をはじめとする他の難関校でも出題される「王道」の分野からの出題が目立ちます。
2021年も多くの「重複問題」がありました。

早稲田対策では「漢字で習った用語は漢字で書けるようにする」といった基本的な学習が得点に直結します。

なお、本サイトでは、著作権等の関係で、過去問は、一部の引用にとどめております。
過去問は、さまざまなサイトに掲載されていますが、四谷大塚の「過去問データベース」をおすすめしています

外国人旅行者の推移は筑駒、開成でも 2022年は要注意

2020年は、新型コロナウイルスの影響で、海外旅行も行けなかったわ。
2021年も難しそうだし…。

日本への外国人観光客も99%の減少となりました。

ただ、2021年の中学受験では、コロナ禍以前の観光関係の統計を見せて、日本と外国のつながりについての理解を問う問題が、早稲田中学をはじめ、筑波大学附属駒場開成などさまざまな中学校で出題されました。

筑駒や開成では、「訪日外国人数」をベースにした出題、早稲田中学では、「1人あたりの旅行支出および訪日外国人旅行消費額」をもとにした出題という差はありますが、「訪日旅行者が多い国」を問う、つまり日本の観光への影響が大きい国を問うという意味で、問われる知識は変わりません。

同じ年に、これだけ多くの学校で問われるのは、「中学受験」以前に、小学生の学習内容として基本だからです。

実際に、「訪日外国人が多い国」は、小学校で使う「地図帳」の資料コーナーにも掲載されているんですよね。

そうなんです。
「地図帳」は文部科学省の検定教科書ですので、そこに出ている知識は、『基本中の基本』です。

ただ、2022年以降は、時事問題の要素も加えた「応用問題」として出題される可能性があります。

誰もが知っているとおり、2020年のコロナ禍以降、外国との往来は大きく制限され、訪日外国人は大幅に減少しています。

以前の外国人旅行者の国別割合を見ると…

【2019年の訪日外国人の割合】

一方で、2021年1月の訪日外国人のトップ5は、次のようになっています(JNTO日本政府観光局)。

(人)
中国10,200
韓国2,500
ベトナム20,000
アメリカ1,200
フィリピン1,000

中国・韓国に次ぐのは、「外国人技能実習生」が多いベトナムです。
2020年12月、世界からの外国人の新たな入国を原則として拒否する措置が発表され、2021年1月現在は、日本人と日本に在留資格のある外国人の帰国のみが認められる形となっているからです。

2019年までに盛んだった観光需要は完全に消失しました。

2021年3月時点でも、外国人の入国の先行きは不透明です。
オリンピックが開催されることになると、入国者数の大部分がオリンピック関係が占めることになり、さらに統計に変化が生じる可能性もあります。

コロナ禍の発生から1年以上がたっても影響は続き、情勢によって変動は激しいので、2019年以前の観光需要ののびと、2020年以降のコロナの影響は、入試問題が作成される2021年の秋・冬口まで注視していく必要があります。

新紙幣はコロナや大河ドラマで注目度アップ!

2024年に発行される新紙幣についても、2022年以降継続して出題される可能性がある、要注意の分野です。

2021年は、早稲田中学のほか、慶應義塾中等部で出題されました。

紙幣に関する問題が出題されやすい背景にあるのが、時事問題とからめた「歴史問題」が出題しやすいですからね。

2021年の早稲田中学では、新1万円の渋沢栄一と新1000円札の北里柴三郎について出題されましたが、特にこの2人の重要度は高まっていますよ。

渋沢栄一
第一国立銀行(現在のみずほ銀行)など数多くの企業を設立した人物。
2021年に放送が始まったNHKの大河ドラマ「青天を衝け」の主人公です。
早稲田中学の入試では、「資本主義の父」と呼ばれることなどを問う問題のほか、関連して「東京株式取引所」が現在の「東京証券取引所」に継承されていることなどの知識を問う問題が出題されました。
北里柴三郎
日本における近代医学の父として知られ、感染症予防や細菌学の発展に大きく貢献しました。
ペスト菌を発見した功績もありますが、2021年の入試でも新型コロナと絡めて数多くの出題がありました。

新5000円札の「津田梅子」も中学受験でよく出題される人物ですね。

2022年も引き続き多くの学校で出題される可能性がありますので、ぜひご家庭で「夕食時の話題」などに取り上げながら、塾での勉強だけでなく、日常生活の中で子供の関心を引き寄せたいところです。

なお、新紙幣の裏面の図柄のうち、1万円の「東京駅」は、日本の鉄道の歴史とからめて出題できますし、「富嶽三十六景」は「葛飾北斎」の名前やその時代について問う入試問題も予想されます。

お札は、さまざまな問題を作ることができる宝庫なんです。

SDGsは、絶対落とせない!!

さらに、SDGs(持続可能な開発目標)も、中学入試の定番となりました。
絶対に落としちゃいけないところです!!

早実のほか、ことしの筑駒でも出題されましたが、SDGsは、もはや「時事問題」ではありません
2021年組の6年生が使用した教科書(東京書籍)でも、SDGsについて2ページを割くなど、「教科書で学ぶ基本的事項」なのです。

SDGsについては、最近企業広告などでも目にする機会も増えたし、書店に行けば関連書籍があふれていますね。

このなかでも、落合陽一さんの著書「2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs」は、カラー版で大人でもためになります。

 

とかく受験生がいると、すべての物事を「受験」中心に考え、「受験に役立つか」の基準で選んでしまいますが、落合さんの書籍は、受験にも役立つし、おとなの教養としても一読に値しますよ。

「八丈島」も中学受験ではよく出てくる!

一方、早実では、地理の問題として「八丈島」に関する出題がありました。

八丈島での「地熱発電」に関する問題は、2021年は開成中学でも出題されています。

再生可能エネルギーに関する問題はよく出題されますし、八丈島は「東京都」であることから、都内の小学生は学校でも扱うことが多い島です。
八丈島を含む小笠原諸島は、2011年に世界自然遺産に登録されているという意味でも、しっかり抑えておきたい島なのです。

2022年に向けて

早稲田中学や早稲田実業の社会は、以上のような、近年の中学受験のトレンドを程よく抑えた出題傾向にあります。

ことし出た問題が来年出ることはありませんが、早稲田のような「王道」の入試問題を抑えることで、必ず他校の対策にも繋がります

訪日外国人旅行者やSDGsや新紙幣など、いずれも塾でも時事問題などとして扱う問題ですが、時事問題は、日頃から家庭で理解を深めておくことが大事で、学校側が時事問題を問う目的はそこにあります
入試直前に暗記モノを溜め込まずに、日頃から「聞いたことがある」知識を増やしていくことで、受験直前のまとめで必ず生きていきます。

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