2021年難関校でこれだけ出題 コロナ軽減税率・円高円安…親子で会話したい社会の重要テーマ

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受験全般
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1ドルが100円から200円になった場合、輸入は増えますか、減りますか?

軽減税率ってなんですか?

いずれも、2021年の中学入試で問われた問題です。
中学受験、特にに難関校で問われるのは、大人の常識、「塾での勉強」だけでなく「親子での日常会話」は欠かせません。
そして、「社会」という科目の性質上、「トレンド」が存在します。
2021年の中学入試で、複数の難関校で出題されたのは何なのか?そして家庭での対策は?
徹底分析しました。

【以下の難関校の入試問題を分析対象としています】
麻布 浦和明の星女子 栄光学園 海城 開成 慶應義塾中等部 駒場東邦 渋谷教育学園渋谷 渋谷教育学園幕張 女子学院 聖光学院 筑波大学附属駒場 豊島岡女子 フェリス女学院 雙葉 早稲田中 早稲田実業
なお、本サイトでは、著作権等の関係で、過去問は、一部の引用にとどめております。
過去問は、さまざまなサイトに掲載されていますが、四谷大塚の「過去問データベース」をおすすめしています。
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やっぱり新型コロナが1番人気

2021年の中学入試の社会でもっとも出題されたのは「新型コロナウイルス感染症」です。

【新型コロナ関連の問題が出題された学校
駒東 豊島岡  渋渋 渋幕 早実

中学入試では、けっこうメジャーな話題が出題されるんですね

「あまりに大きな話題だから、これは出ないだろう」とあえて外しにかかる必要はなく、大きなニュースにはしっかりと関心を払うべきです。

WHOはニュースにもよく出てきました

なかでも、WHO=世界保健機関については、もとから出題が予想されていました。

渋谷教育学園渋谷では、

「世界保健機関は、(  )に属し、頭文字を取ってアルファベットで(  )と呼ばれている」

という説明文の( )を選択させる問題が出題されました。

公民は、学習の習慣が身についているはずの6年生で学びますので、本来記憶が新しく、あまり落としたくない分野ではありますが、小学生に馴染みが薄いこともあり、苦手とする受験生も多い分野です。

こうした用途は、塾で学ぶのを待つのではなく、ニュースなどで出てくるたびに、家庭で話題に上げるべきでしょう。

特に社会を苦手とする受験生は、物事の事象がイメージできていないケースがほとんどです。地理なら、自ら足を運んだことのない地域のことを具体的にイメージするのは難しいですし、歴史も、史跡を訪ねた経験が少なければ身近なものと感じにくいものです。
「中学受験をする」と決めている家庭なら、できるだけ早期から親子の会話の中で社会の出来事についての理解を深めていくことが大切です。

あとで塾で新単元として習った際「これ知ってる!」という経験が多いほど「好き!」につながるものです。

子供にとって「自信」はモチベーションを高める重要な要素です。

あえてテキストで先取りをする必要はありませんが、あとで学習するとわかっているものについては、チャンスがあるなら日常生活で、自然に学びたいもの。机に向かった勉強より、生きた学習のほうが楽しく、身につくものです

感染症の歴史は2022年も注意

新型コロナに関連して、渋渋などで問われたのが、スペイン風邪など、過去の伝染病に関する知識です。

時事問題に関連して、「歴史」の知識を問う問題も中学受験では多く出題されます。
こうした問題への対応は、サピックスや日能研などから出版される時事問題の参考書が役に立ちます

時事問題の参考書は、単に直近のニュースを羅列するわけではなく、関連して入試に出そうなテーマのまとめにページが割かれます。

なお、例年11月に出版されますが、時事問題については、入試に出るから勉強するのではなく、できるだけ早い時期から「ニュースや社会の出来事に関心を持つこと」が非常に大事です。朝日や読売の小学生新聞などで親しむのも手ですし、サピックスなどから出版される時事問題集を4年生や5年生から購入しておき、「雑誌」として目を通せる環境を作っておくのも一つです。

子供がニュースに関心を持てるというメリットもありますし、親の側も「中学入試で出る」ポイントがわかり、勉強のサポートや、親子の会話の材料の発見に役に立ちます

新紙幣は歴史学習の宝庫

そして、感染症の知識は、2024年から発行される新紙幣に関連しても、慶応中等部や早稲田中学で出題されました。

新1000円札の肖像画は北里柴三郎ペスト菌を発見し、また破傷風の治療法を開発するなど感染症医学の発展に貢献しました。

慶應義塾大学部医学科(現・慶應義塾大学医学部)創立者兼初代医学科学長でもあります。

新5000円札の津田梅子も津田塾の創設者として中学受験で必須ですし、10000万円の渋沢栄一は2021年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公として注目されている人物です。

早稲田中学では、渋沢栄一が「日本株式取引所」いまの「日本証券取引所」を設立したことなどが問われました。

2021年、株価がどうなるかはわかりませんが、折しもバブル期以来の高値を更新し、30000万円台を突破しました。
村上ファンドの村上世彰さんのように小学生から株取引をしていた人もいますが、まあ例外でしょう。
小学生に馴染みが薄い話は、塾よりも、家庭で「身近に感じさせる」努力がどうしても必要になってきます。そこは親の力です!!

難関校の受験生は為替も注意

株の話が出てきたので、為替についてもお話しましょう。

2021年のフェイスの入試問題では、「1ドルが100円から200円になった場合、日本の貿易に与える影響」がどうなるかを問う問題が出題されました。
次の選択肢から正解を選んでください。

ア 輸出品の価格は、円では変わらないが、ドルでは2倍になるので、輸出が増加する。
イ 輸出品の価格は、円では変わらないが、ドルでは半分になるので、輸出が減少する。
ウ 輸入品の価格は、ドルでは変わらないが、円では2倍になるので、輸入が減少する。
エ 輸入品の価格は、ドルでは変わらないが、円では半分になるので、輸出が増加する。

日頃、金融関係や調達のお仕事をされている方なら直感的にわかるとは思いますが、そうでないと瞬時で正解はわからないかもしれません。

答えはウです。
円安になると輸出が有利に、逆に輸入は不利になります。

1ドルのものを輸入しようとしたとき、1ドル100円なら100円で輸入できますが、1ドル200円になると200円もかかるので、日本企業としては購入しにくくなります。

もちろん円建てやヘッジなど、実際のトレードではさまざまな条件があるわけですが、中学受験では原理原則の理解が問われます。

海外旅行に頻繁に行く小学生なら多少の理解はできるかもしれませんが、そもそも円とドルを交換した経験がまったくない小学生には理解が難しいものですね。

とはいえ、ことしはフェリスのほか、開成でも「1971年にドル・ショック(ニクソン・ショック)が起きるまで、円とドルは(  )相場制で、2つの通貨の交換比率は現在よりも( )でした。」という説明文の( )に入る語を選択させる問題が出題されています。

最近は、コロナ後進行した円高から一変、日米の金利差の拡大で再び円安方向に進んでいます。こうした世の中の動きを、少しでも子供と会話してみることも大切です。
基本的には「金融教育」の部類に入る話かもしれませんが、中学受験を「金融教育」のきっかけにしてみてもいいかもしれません。

消費税の軽減税率は小学生のお小遣いにも直結します!

お金の話でいえば、消費税に関する出題も相次ぎました。

早実と女子学院では、ともに「軽減税率」の知識を問う問題が出題されました。

軽減税率の対象は、酒類を除く飲食料品で、外食は含まれませんね。
外食なら消費税率は10%、テイクアウトだと8%

この税率の違い、外食する際やテイクアウト、Uber Eatsで注文する際など、親子で会話したことがあるでしょうか?

実際、大人でもわかっていない人が多いかもしれないですね。

でも、軽減税率は、そもそも所得が低い人ほど税負担が重くなる「消費税の逆進性」を緩和するための制度
お小遣いが少ない、つまり「所得が低い」小学生にとっても大きく影響する話です。

こうした「身近な話」をしっかり理解させることこそ、中学受験生を持つ家庭に求められるのですね。

中学受験で好まれる環境問題、SDGsは最近よく見かけます

このように、中学受験で出題される多くのテーマは、基本的に日常生活で習得可能です。

このほか、よく中学受験ではおなじみのSDGsも、最近は、だいぶ日常で目にするようになってきました。
書店に行けば、落合陽一さんの書籍など、SDGsをテーマにした本は、「話題書」のコーナーでも見かけます。

大切なのは、親自身が「世の中の動き」へのアンテナの感度を高めることです。

この記事をご覧いただいているようなネットで熱心に情報収集される方は、きっと感度が高い方だと思いますが、さらに知識や物の考え方を子供に伝えていくことが必要です。

特に6年生になると、ただでさえ、課題が増え、時間もなくなっていきますね。

テキストで学ぶこと、親子の会話で学べること、それぞれがあり、両者を掛け合わせることで知識は、より身近なものとして子供の脳内に定着していきます

さらに、親が「学ぶ姿勢」を見せて示すことは必ず子供にも伝わるはずです。

「中学受験」向けの本で、受験の制度やテクニックを学ぶことも大切なのですが、特に麻布や開成・筑駒などの難関校で求められているのは、それを超えた「大人の常識」です。

テクニックだけに走ることなく、大人も、自分自身の知見を深めつつ、子供に知識を伝授することを繰り返すことで「中学受験に強い」環境が構築されていくはずです。

 

 

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